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着物の着方に季節感を忘れないで

きものの着方(着付け)には、色々なしきたりがあります。その細かなことは、洋服より遙かにこみいっているのでは?と思います。日本の伝統が日々変わりゆく社会の中で薄れていく昨今、しきたりが廃れてゆくことをお嘆きの方も多いことと思います。

和装の伝統が廃れる原因の一つには、あまりにも難しくてややこしいという事情があります。しかし、しきたりを嫌って、きものから遠ざかってしまうのではなく、逆に、日本の伝統ある文化と四季折々の味わいを、着物を通じて楽しんでみてはいかがでしょうか。

きものの着方には、季節ごとの細かなしきたりがあります。またしても「しきたり」なのですが、日本の服飾伝統の「衣替え」もこのしきたりに従ったものです。季節にあった装いをすることは、着物の着方では大切なポイントの一つです。誤解されがちなのですが「きもの季節」は、必ずしも現実の暑さや寒さと一致しているわけではありません。たとえば、「夏物」。昔は、4月から夏物を着ましたが、近頃は6月から着る方が多くなっています。

夏物は、一般的に6月1日から8月30日まで着用されます。紗(しゃ)や絽(ろ)の薄物は、7月、8月の盛夏であっても、涼しげでどこかしゃれて見えたりします。盛の盛り、年中で一番暑い時期には、特に透ける、薄物の素材を使った着物は季節感を感じさせてくれます。

染物だと、絽(ろ)の類が好適です。ちょっとしたお出かけ用の街着だと、麻や上布(じょうふ)、縮(ちぢみ)も小粋でよいものです。
冬物の期間は、一般的に10月1日から5月31日までとなります。ちりめん類などに、あわせをお召しになる着方がポピュラーな着付けです。

着物の夏冬はこのようなものですが、敢えて季節を無視した着方を楽しんだりするのもありかな?と思います。でも、一番頭が痛いのは、季節の変わりめにどのような着方をするかでしょう。
たとえば、ちりめんやつむぎ、お召しのひとえは、6月と9月の着物とされます。6月と9月は、普通のひとえがしっくりきますが、10月になったら、少し秋めいて、あわせの表生地をひとえで着るのが良いと思います。

日本の四季は世界中でも珍しく、寒暖の差が大きく、それゆえ日本の美しい風土があります。そして、昔の人が、移り変わる四季のなかで生み出してきた、伝統やしきたりを見直し、時々は着物など着てみると、現代人が無くしてしまった季節感を取り戻すことができるのではないでしょうか。もちろん、日本人ならではのおしゃれを楽しむこともできますし......ね。

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