見るからに個性的!という着物の着方は、ステージ衣装や浴衣くらいのもので、街中で見かけることはまずありません。しかし、ちょっとしたアレンジや、全体のコーディネートに工夫をすると、各人の個性を引き出すことができます。
年齢の差異によってきものの着付けに変化を出し、味付けを変えるというのはよくある手法です。若いお嬢さんだと初々しい着付けの仕方、若い女性でも既婚(ミセス)だと少し落ち着きをプラスした着付け、もう少し年配の方だと、成熟した女性のしっとりとした女らしさをアピールしたりします。もちろん、お歳を召した方ならば、きものを着慣れてもいることでしょうから、貫禄のある女性の美しさと渋さをいい具合に......などといった着方をしたりします。
また、年齢とは別に、着付けの細部を外見や好みに合わせて調整すると、その人ならではの個性を強調することもできます。
たとえば、衣紋(えもん)を大胆に抜いた着付けは、ちょっと粋な着こなしになります。。また、胸元に余裕をもたせ、半えりを多めにのぞかせると、えりの打ち合わせにゆとりが出ることから、着慣れた感じになります。逆に、衣紋の抜きを抑えめにして、えり合わせを細めのV字型に整え、半えりも細めに出すと、シックでおしゃれな着付けになります。
帯の結び方や位置にも、きものを着る方の個性が出ます。帯の位置を低めにし、帯幅を広めに、斜めに帯を締め上げると、小粋です。おたいこは低く、下部にふくらみをもたせた「銀座結び」や、「つの出しだいこ」は、いかにも着慣れた雰囲気となり、ちょっとつやっぽい着付けですね。
ふつうのおたいこでも、少々斜めに形付け、帯締めをほんの少し斜めになどすれば、粋な着こなしを演出できます。しかし 「粋」も行き過ぎると玄人すじの女性の装いみたいになってしうことも。若い女性の和装としては時にちぐはぐなものになりますので、あまり強調しすぎないように注意しましょう。